Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪126.荊-木犀は月に馨る- 4-13


「でもっ!」
受験のことや、卒業間近であることなどを言いたくなるが、雪耶は西門と実里の言葉を思い出す。
狂司郎はそれらをすべて承知の上で、家を出て学校も辞め、独りで生きようとしているのだ。

どうすればいいのか。
何を言えば狂司郎の気持ちを翻らせることが出来るのか。

人はみな、いずれは独り立ちする。
その時期が早まっただけなのかもしれないが、それでも、一時の感情で突っ走ることがいいとは思えない。

狂司郎は問題児ではあるが、頭が悪いわけではない。
それどころか、桜華学園で常にトップを争っているほどの頭脳を持ち、だからこそ、教師たちも狂司郎の素行に神経を遣っていると聞く。
順当にいけば、トップクラスの大学に進学し、後の展望も価値あるものになるのだろう。
しかし、今の狂司郎はそれを捨て、道をそれようとしている。

そのきっかけを作ってしまったのが雪耶であることは事実だ。
雪耶は、それに対しての責任を感じている。
そして、もっと強く、雪耶の心を揺さぶる気持ちがある。

狂司郎との繋がりがこれで切れてしまう怖さだ。
自分の我が儘だというのはわかっている。

でも、狂司郎は、雪耶自身を見てくれている人だ。
雪耶が雪耶のまま、素の感情を見せられる人。

自分は自分だ、と言い切る狂司郎の強さにも憧れ、それが自分を勇気付けてもくれる。

そして、初めて『好き』という気持ちを自覚した相手。
今の雪耶にとって、家族と九頭龍以外で唯一の存在だ。

その存在がいなくなってしまうことが怖かった。

家に帰ろうとしない狂司郎だが、今、彼は雪耶の前にいる。
今ならまだ、狂司郎は心を決めていないのではないか。
迷いがあるから、こうして実里の家にいるのではないか。
あるいは、決意はしていているのかもしれないが、まだ行動には移していない段階。

狂司郎が動いていない要因が雪耶にあったのだとしたら、英邸でのあの出来事をお互いに乗り越えられたと思える今、狂司郎が迷うものは、なくなったかもしれない。
あの穏やかな表情はその証と思えてしまい、雪耶の心が焦りに焼かれ始める。

狂司郎は決意さえすれば、迅速に行動しそうだ。
もう、これっきりになってしまうのかもしれない。


「嫌だっ!」

心の中の叫びが、そのまま空気を震わす振動となって雪耶の口から迸り出た。



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