Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

2010年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2010年10月

| PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

狂雪39.時の流れる電車に乗って 6

 雪耶の後ろから券売機で切符を買ってきた川田が改札機に通してくれて、雪耶の前方を遮るものが無くなる。

「うわっ!すげー! 川田さん、先に通って!」

 新しいおもちゃでも見つけたような顔の雪耶を見て、川田は自分の切符を渡してくれた。
 雪耶が切符を改札機の口に持っていくと、奪うように切符が吸い込まれ、その後バーが開く。
 たったそれだけのことなのにこれが初めての経験…というような顔で喜ぶ雪耶を、あの狂司郎と川田が顔を見合わせて思わず苦笑していた。

「どんな育ち方してんだか…」

 階段を登って、人の並びの少ないホームの端に立って三人が電車を待つ間に、横の狂司郎がぼそっと呟いた。
 川田は、改札を抜けてから、二人とは一定の距離を保ってついて来ている。
 今も、少し離れて立っているため、狂司郎の声は届いていないようだった。

「ん?」
「お前だよ……今時、電車の乗り方も知らねーなんて、どこのお坊ちゃまだ」

 狂司郎にそう言われて、雪耶の頬がかぁっと熱くなり、恥かしさに下を向いてしまう。

「……ごめんなさい」
「ちょっと驚いただけだ」
「俺、物心ついた時からずっと、こんなふうに公共機関を使って移動とかしたことないから」
「今まで……今でもずっと車か」
「いつも誰かが必ず付いて動くから。俺は……」

 その時、雪耶の言葉を遮るように、ホームに電車の到着を知らせる音楽が鳴り響いた。
 ホームに入ってくる電車を見ようと思わず前に体を乗り出した雪耶を、狂司郎の腕がやんわりと遮る。
どうしたのかと見上げた雪耶に「危ないから下がっていろ」と狂司郎が告げると、すぐに同じような内容のアナウンスが流れてきた。


テキスト by 辰城百夏


Copyright (C)   ciliegio2009, All rights reserved.


↓ランキングに参加しています。↓よかったらポチしてください。
 にほんブログ村 小説ブログ BL小説へにほんブログ村

拍手(●′З`)ノ ありがと-う♪.+゜

スポンサーサイト

|  ・狂司郎×雪耶 | 18:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。