Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

2009年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2010年01月

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68.【蒼白の月に啼く獣6-10】

 英邸を去る日、受け取ってもらえなかったプレゼントの箱を手にした西門は、狂司郎の部屋の前に立っていた。
 部屋の中で西門の声を狂司郎が聞いているのかどうかすらわからなかったが、それでも声をかけてから出て行きたかった。


「恭司郎様」
 重厚な木製のドアの前で、西門は狂司郎に話しかける。

「僕は今日、このお屋敷を出て行きます。
恭司郎様と過ごした4年間、僕はとても楽しかった。
それなのに僕は恭司郎様を傷つけてしまいましたね。本当にごめんなさい。
でも、僕は恭司郎様が大好きでしたよ。それは今でも変わっていません。
どんなに遠く離れていても、僕は恭司郎様が大好きです」

 西門の脳裏には、この屋敷で過ごした狂司郎との日々が次々と蘇ってきていた。目の奥がじんと熱くなる。

「恭司郎様。どうか負けないでください。
恭司郎様が頑張れば結果は必ずついてくるはずです。
胸を張って歩いていってくださいね」

 せめて最後にひと目だけでも狂司郎の顔が見たいと願った西門だったが、ドアは沈黙するばかりだった。


「…では、恭司郎様、お元気で。さようなら」
そう言い終えて、立ち去る西門の瞳が潤む。

 泣くまいと耐えるがそれを止めることは出来ず、嗚咽が洩れそうになる口元を押さえる右手に握り締めたプレゼントの箱に染みを作った。

 


 西門が語りかけるドアの内側には、背中を預け座り込む狂司郎の姿があった。

 膝を抱えて俯く狂司郎の耳に、ドア越しの西門の声が聞こえてくる。

 寂しくて悲しくて、ドアを開けて西門に縋りつきたかった。

 でも、出来ない。

 西門の「さようなら」の言葉が聞こえた時、思わず立ち上がりドアのノブに手をかける。
 手をかけたもののそれを回すことが出来ず、狂司郎は唇を噛み締める。

 狂司郎の目から溢れ出したものが 彼の白皙の頬を伝っていく。
 次から次へと留まることのない涙は、狂司郎の心の中にまでも染みこんでいく様だった。

テキスト by 流々透雫

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