Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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15.【蒼白の月に啼く獣2-2】

 どうにもならない日々が続き、西門も少々焦り始めていた頃、無人の狂司郎の部屋に食事の用意が置かれているのをみかけ、ずっと気になっていたことが頭に浮かんだ。


 英邸の使用人のトップに田上という中年の男がいる。英家の経理的なことや雑務をこなしながら使用人たちをまとめている。
 彼は英から、西門を英家の親族として応対するように言われているらしく、当初は西門の食事も英家の人間と同じものをダイニングに用意された。だが英も有介も不在だったり帰宅時間が決まってなかったりなので、だだっ広いダイニングルームで目をみはるばかりの大きなダイニングテーブルの片隅に、一人ポツンと座りながらの食事だった。
 あまりに味気なく、居心地の悪い思いをしながらの食事に懲りて、以降は作ってもらった食事を自分の部屋に運んで食べるようにしていた。


 狂司郎は食事をどうしているのだろう?

 西門は疑問に思っていたことを田上に聞いてみた。

 田上によると狂司郎の食事は決まった時間に彼の部屋に、狂司郎の在不在に関わらず持っていき、1時間ほどしたら食べられていないままでも下げるのだという。それ以降は狂司郎を見かけたときに声をかけ用意するとのことだった。

 小さな子供が一人で食事をする寂しさ。もしかしたら食べそこなってしまう日もあるのかもしれない。
 部屋にいない方が悪いと言われればその通りなのだが、成長期の子供にとって食事を摂ること、そして楽しく食べることは情操教育としても大切なのではないのか。

 そう思った西門は、自分が帰宅した時に狂司郎の食事が終わってなければ、自分の食事を狂司郎の部屋に持っていくようにした。
 狂司郎がいれば一緒に、いなければ狂司郎が帰って来るのを待ってみた。狂司郎が帰ってこなくて結局西門一人で食べる日の方が圧倒的に多かったのだが、懲りずに続けているうちに、帰ってくる日がほんの少しずつだが増えていった。

 一緒に食べるのを嫌がるだろうかを危惧したりもしたが、狂司郎は気にするそぶりもなく西門の前で食事をする。

 いい傾向じゃないか?西門自身、たとえ何の会話もしなくても一人で食べるより狂司郎と食べたほうが気持ち的に違うと感じていた。
 幼い狂司郎がうまく食べられなくてポロポロこぼしているのをみたりすると、思わず手を出したくなるが、そんなことをしたら引っ掻かれそうなので見守ることに徹していた。


 食事のあとは勉強を、と目論んでいたが、これに関しては相変わらずだった。


 だが、今はこれでいい。
 こうやって、少しずつでいいから、狂司郎との距離を縮めていこう・・・。
 勉強は、狂司郎がもっと自分に気を許してくれてからでいい・・・。

 西門は、狂司郎に近づく第一歩を踏み出した。

 

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